虫歯になっても歯と神経を残す
歯科治療
一般歯科(虫歯治療)
虫歯は、広く一般的に知られているお口の感染症の一つです。
また、虫歯の進行した先にある歯の神経には、歯を守ってくれる多くの役割が備わっています。当院では、虫歯の進行によって大事な歯の神経を抜くことにならないために、神経近くまで虫歯が至った場合でも、できるだけ神経を残すための治療を提案しています。
よく「痛くもないのになぜ治療しないといけないのか?」とお尋ねいただくことがあります。しかし、虫歯が原因で歯が痛くなった場合にはもう手遅れで、ほとんどの場合が神経を取る治療が必要になってしまいます。
ご自身の大切な歯を守るためにも痛くなる前に虫歯を見つけてもらえるようにしていきましょう!
こんな症状ありませんか?
- 歯が痛い(食事のときや安静時など)
- 温かいものや冷たいものが歯にしみる
- 歯の表面が黒ずんでいる
ひとつでも当てはまれば虫歯の可能性があります。早めに歯科を受診しましょう。
虫歯の進行段階と治療方法
CO虫歯になりかけの状態
歯の表面の溝が黒くなりかけた状態で、痛みはあまり感じません。
厳密にいうとまだ虫歯とはいえませんが、進行する恐れがあります。
虫歯になりかけの状態の治療法
フッ素を塗布することで、歯の再石灰化を促し、虫歯前の状態を改善させる治療を行います。※フッ素塗布による予防は自費診療となります。
C1虫歯がエナメル質まで進んだ状態
虫歯菌によって歯に小さく穴が空き、黒や茶色に変色した状態です。
表面のエナメル質の部分なので痛みはまだありませんが、冷たいものがしみることがあります。
虫歯がエナメル質まで進んだ状態の治療法
虫歯の部分を削り、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の治療を行います。
C2虫歯が象牙質まで進んだ状態
どのくらい象牙質へ進行しているかにもよりますが、ほとんどの場合痛みはまだありません。冷たいものなど刺激が強いものがしみることはあります。
虫歯が象牙質まで進んだ状態の治療法
虫歯の部分を削り、詰め物(コンポジットレジンやインレー)を詰めて治療を行います。
歯をほとんど削らずにドックスベストセメントを用いて治療を行うことも可能です。
C3虫歯が歯髄まで進んだ状態
象牙質を通り越して、歯髄まで虫歯が進行した状態です。
冷たいものや熱いものがしみたり、何もしていなくても痛みを感じることがあります。
虫歯が歯髄まで進んだ状態の治療法
虫歯の部分を削り、神経を取って、歯髄の中を清掃して薬剤を詰めて消毒し根管内(もともと歯の神経が通っていた管内)を緊密に封鎖します。
その後、土台を立てて、詰め物(インレーやクラウン)を詰めて治療を行います。
C4虫歯が歯の根まで進んだ状態
歯の上部が溶けて、歯髄も死んだ状態になり、歯の根まで虫歯が進行して化膿した上で膿が出るようになります。
進行し過ぎたため、逆に痛みを感じない状態です。
まれに歯の根の先の感染部分が痛みの原因になる場合もあります。
虫歯が歯の根まで進んだ状態の治療法
治療が困難な状態で、抜歯を行います。
抜歯後は入れ歯やブリッジ、インプラント(現在、当院ではおこなっておりません)を使用して、失った歯を補います。
当院の虫歯治療の特徴
痛みの少ない治療
痛みを伴う治療の場合は麻酔を使用して、痛みをほとんど感じなくすることが可能です。
また、麻酔注射の痛みを軽減するために、表面麻酔の塗布や麻酔の方法で他院よりも痛みを感じにくい処置を心掛けております。
医師の技術によるものも大きく、当院に来られる患者様からは、「他院に比べて痛みが少ない」といったお声も多くいただいております。
ドックスベストセメントの使用も可能
「ドックスベストセメント」は、虫歯をすべて削り取ることなくミネラルで殺菌して虫歯菌を死滅させる画期的な治療法です。歯を大きく削ったり、神経を取るといった治療をしなくていいので、将来的な歯へのダメージを抑えることができます。
虫歯をすべて削り取る必要がないため、治療時に歯にかかる負担を極力抑えることが出来ます。そのため神経を保存できる可能性が格段に上がるので、かなり歯に優しい治療法だといえます。
治療期間 | 約6カ月~1年(経過観察期間を含む) |
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治療回数 | 約2回~3回程度 |
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メリット
- 虫歯が深くても、歯を削る量をできるだけ抑え、神経を残した虫歯治療に期待できます
- 神経を取る場合に比べて通院回数を大幅に減らすことが可能です
- 麻酔を使わずに治療できるケースもあります
- ミネラル成分で作られた薬剤なので、アレルギーの心配がほとんどありません
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デメリット
- 進行した虫歯治療には行えないケースがあります
- 治療後の歯が完全に虫歯にならないわけではなく、セルフケアが不十分だと他の箇所から虫歯が発生します
- 100%神経を残すことが可能とは限らず、治療後に痛みが発生して神経を取らないといけなくなる場合もあります
- ドックスベストセメントは公的医療保険が適用されない自由診療です
未承認機器・医薬品に関する注意事項について
医薬品医療機器等法上の承認
日本では現在承認されておりません。
入手経路
DOC BEST CLUB受注センター(株式会社ステムズ)
国内承認医薬品等の有無
類似製品は販売されておりません。
諸外国における安全性等に係る情報に関して
ADA (アメリカ歯科医師会)において公的機関の検査・許可を受けている薬剤で、重大な副作用についての報告はありません。
マグネシウム・銅・鉄・マンガン・亜鉛・リン酸等のミネラルが主成分のアメリカでは一般的に用いられている薬剤です。
ドックスベストセメントの治療の流れ
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Flow01
治療前
虫歯になっている部分を治療していきます。
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Flow02
虫歯の治療
神経に近い部分の中心部の虫歯は残して、封鎖性を高めるために周囲の虫歯は削り取って健康な歯牙の部分をだします。
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Flow03
歯面処理
封鎖性を高めるために歯面処理を行います。
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Flow04
封鎖の処置
ドックスベストセメント(ホワイト)で封鎖します。
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Flow05
削り取り
ドックスベストセメント硬化後中心部のみ残してドックスベストセメントを削り取ります。
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Flow06
治療完了
コンポジットレジンで封鎖し充填完了です。
ドックスベストセメントの料金
ドックスベストセメント | ¥5,500 |
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※料金は税込みです。
虫歯にならないためには
お口の中を清潔に保つ
虫歯は細菌の感染によって起こるので、日頃からお口の中を清潔に保つことが大切です。
予防歯科を利用して、正しいブラッシング法を身に付け、プロの手によりクリーニングを受けることも大切です。
当院では、歯の再石灰化を促すことで虫歯を予防するフッ素洗口液「高濃度フッ素洗口液」を取り扱っています。週1回の使用でも予防効果が高まります。
糖質の摂取に気を付ける
虫歯菌のエサとなる糖質の摂取には気を配ったほうがよいでしょう。
ジュースやお菓子の食べ過ぎはもちろん、常に口の中に糖分を入れている状態もよくありません。
当院では食生活のアドバイスも行っています。
歯を強くする
高濃度フッ素(900ppm以上の歯磨剤や高濃度フッ素洗口液) とミネラル(牛乳由来のMIペースト)を用いてホームケアをすることで虫歯に強い歯にしていくことが出来ます。
歯にかかっている無駄なストレスをなくし、歯が傷つくのを予防する
まずは、ご自身で歯を傷つけてしまっているケースが多いことを知っていただきその自覚を持っていただくところから始まります。
歯が傷つきひびが入ったり、欠けてしまった状態のところは細菌感染が起こりやすく内部まで浸透していってしまうため虫歯の進行が急速に進む原因になってしまいます。様々な原因で知らない間に、食いしばりや歯ぎしりといった歯によくない癖を持っている方がほとんどです。歯ぎしりはご自身の意思では治すことが出来ませんが、日頃の食いしばりなどへのストレス管理やお口を開ける筋肉を鍛えるための口腔周囲筋トレーニングをしていただくことで、歯ぎしりの程度を弱め、ある程度コントロールしていけるといわれています。
そのために日頃から気にしていただきたいことや運動など生活改善から始めていただきます。ただし、ご自身の意識だけで改善の傾向がない場合は夜間に使用するマウスピースを用いたストレス管理の治療が必要になる場合もございます。
治療後は再発予防も大切
虫歯の治療は従来「痛くなったところを削って詰める」という対症療法を主として来ました。しかし、「歯は削れば削るほど寿命が短くなる」とご周知ください。
削る歯がなくなれば、歯を失ってしまうということになります。
また虫歯が進行していく中で、神経部分に達し、神経を抜くよう提案される場合があります。神経を抜いてしまった歯は枯れ木のように脆くなってしまうため、同様の歯を失うリスクに繋がります。
このように治療後も、歯を削ることを抑える=再発を防ぐため、神経を守っていくためにも、当院では患者様の「予防」の取り組みをサポートしています。